世話焼き神様
∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part63∧∧
89 ⇠ 94,107: 雷鳥一号 >◆zE.wmw4nYQ [sage] 2012/07/10(火) 18:17:47.99 ID:7z/4eY+20 (2/4)
先輩の話。
仲間と二人で山歩きをしていた時のこと。
遠くの方からシャンシャンッと甲高い音が聞こえてきた。
音がする谷間の方を見やると、何か細長い物がこちらに向かって飛んでくる。
白木で作られた柄杓だった。普通に水汲みに使われる代物だ。
あっという間に頭上に達すると、柄杓はいきなり裏を返してその中身をバラ撒いた。
信じられないほど大量の水が降いでき、二人ともずぶ濡れになってしまう。
呆然とする先輩らを残し、柄杓はシャンシャンと唸りながら元来た方の谷へ消え去った。
相棒が教えてくれた。
「ここの山にはワタリビシャクってのが出るとは聞いていたが、まさか自分が目撃する
羽目になろうとはね。いや、別に悪い物じゃないらしい。
こいつに水を掛けられると、ここに入山中は水に困らないんだってさ」
「確かにあそこは水場が極端に少ない山系だけど。
でもその時のルートは、水場をしっかりと確保出来るものだったんだよなぁ。
有り難迷惑な柄杓だった」
そう言って先輩は苦笑した。
2chの反応
94 :本当にあった怖い名無し:2012/07/10(火) 19:50:56.91 ID:FGSaUCIN0
雷鳥さん今回も良作乙です。
>>89は付喪神なのかな?それとも妖怪?
何れにせよ、柄杓が水を掛ける人間と云うのは謂わば選ばれた
人間と云う事でしょうね。
暑い夏場はちょっと掛けられてみたいな。
管理人の感想
ちょっとお節介な山の神様でしょうか
よっぽど水に困る人が多かったんでしょうね
「はいはい、どうせ水に困ってるんじゃろ」
母ちゃんみたいw
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